Title.

<第1部>
間違いだらけの日本の英語教育(14)
英会話の非常識

Date. 2009.07.04  /  Category. 英語マスターセミナー

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前回は辞典に関しておかしいと思うことについて
書きました。常識と思っていることが世界の非常識
であると。

今回は多くの人が英語学習の目的としている
「英会話」に関しての常識を問う、お話します。

まず、正確に言えば、"English-English Dictionary"
というのはおかしな英語だという事
と同じく、
"English Conversation"も変な英語です。
一般的な英語ではないのです。

せいぜい、"Conversational English"(口語英語)
又は"Spoken (aspect of the English) language"
普通なら"Speaking (ability)"(スピーキング力)とか
といわれるべきものです。

私は現在の英語教育における問題のひとつが、
「英会話」や"English Conversation"という言葉に
あると思っています。まるで、ある特定の英語が
存在するかのように使われているからです。

そして英語学習者だけでなく、
英語教育者までもこの言葉により、
いろいろな誤解をしていると思うのです。

ひとつの例としては、「英会話スクール」があります。

「英会話スクール」という名前がスタンダードに
使われているのは、日本だけでしょう。本来ならば、
"English Conversation School"ではなく、
"English School"という呼び名であるべきだからです。

個人的には、「英会話スクール」がこれだけ日本に
あること自体が正直、恥ずべき事だと感じています。
英語力のレベルの問題ではなく、あたかも、
日本人の英語に対する認識の低さを露にしている
からです。

簡潔に説明しますと、そもそも英語を学ぶということは、
聞けて話せて、読めて書けるようになることだからです。

教える側からいえば、聞けて話せるように指導するのは、
当たり前のこと。また一番最初に出来るようにさせる
必要があることだからです。

聞けもしない話せもしない言語を、読めて書けるように
させることは、死語となった言語を研究させるような
もので、元来英語学習指導から離れているものです。

それなのにもかかわらず、「英会話」という言葉を使用
することにより、問題がごまかされてしまっています。
たとえ悪意はないにしても、争点が噛み合わなくなって
しまっているのです。

多くの英語教育者が「英会話」を、挨拶や買物などで
必要となる極限られた口語表現を丸暗記するような
学習だと理解しているのが悲しい現状です。

従って、昨今、やれコミュニケーション重視だ、
英会話能力の向上の必要性云々が英語教育者に
求められる事に対して、警鐘を鳴らしています。

彼らの主張は、決まり文句だけを習っていることでは、
文法能力がつかない。従ってこれからの日本人は
英語の読み書き能力が劣っていってしまう等。

皆さんは、どう思われますか?

私はそもそも「英会話」という言葉の定義の曖昧さから
来る誤解だと思うのです。

元来、"Speaking"力をつける事として解釈するならば、
文法能力を持つ事は必須です。そうでなければ、
カタコト英語しか話せずに終わってしまいますから。

そして、確固たる文法能力を身につけさせるためには、
読み書き能力の向上が必須になるからです。

また、英語が話せるということは、買物の時だけ
話せれば言い訳ではありません。話すという事は
自分の考えを声に出して発言するということです。

挨拶や買物はもちろんのこと、自分の趣味から、
専門分野や思想に至るまで、ありとあらゆる
自分の意見を英語で言えるようになることです。

このように書くと、そんな高度な英語力をつけるのは、
難しい事だという声が聞こえてきそうです。

しかし、本当は何も難しい事ではないのです。
自分の思いを口に出すだけですから。
声が出せる人ならば、英語を学べば自然と出来る事
なのです。

難しいと思われるのは、「英語で考える」ように
学習していないからですが、「英語で考える」は
また長くなるので、別の機会に説明します。

今回は、日本人が常識的に使っている「英会話」
という言葉が、グローバルスタンダードからは
かけ離れたものだということ。そして、この事が、
日本の英語教育の進歩を阻んでいる要因に
なっていることをお話しました。

いかがでしたでしょうか?長い記事を読んでいただき
ありがとうございました。

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カプラン ジャパン代表 石渡 誠
カプラン ジャパン代表
Kaplan Japan President
石渡 誠  Makoto Ishiwata
南アラバマ大学 コミュニケーション学・英語学 学士号取得。ジョージタウン大学院 英語教授法修士号 取得。帰国後、松本亨高等英語専門学校を引き継ぎ、14年間のフィニックス英語学院の教務部長を経て、カプラン ジャパン代表就任。[ More... ]