Title.

英語は英語で教えること

Date. 2009.12.14  /  Category. 英語の教え方
                  
     

新学習指導要領の目指す思いを熱く語った、文部科学省の太田光春さん。昨日書きましたように、私には完全に共鳴できる素晴らしいお話でした。

しかし、正確に言うと一箇所だけですが、私には「?マーク」がついた場面がありました。それは、「メディアには『英語だけで授業をする』とだけ、大きく取り上げられたのが誤解を生んでいる」という説明のひとつとして言われた事でした。

曰く、「指導要領には、『授業は英語で行うことを基本とする』としてあるだけです。英語だけでとは書いてなく、日本語を使うことを禁止しているわけではない」というような説明をされたのです。

この説明に関しては微妙だなと思っていたところ、ラッキーなことに最後のQ&Aである先生がこのような質問をされました。

「このシンポジウムに来て良かったです。誤解がとけました。英語だけで授業を行うという指針ではなかったのですね。別に必要だと思う部分は、今まで通り日本語で授業してもいいと言うことだと聞いて安心しました。学校に帰ったら、皆に誤解があったことを伝えます。そこで質問は、一体何パーセントくらい英語を使うのが適切だと思われますか?」

私がこの質問はラッキーだと思ったのは、太田さんがこのことに関して明確にお答えされたからです。

「そのような解釈はしないでください。何パーセントが適切かどうかという話しではないのです。英語にしがみついてほしいが、実情や必要に応じて日本語を使うことを否定するものではないという意味です。」

「さらに付け加えると、現行の授業中の日本語での指示そのものを英語に置き換えていくのではなく、新たな指導方法が必要となるということです。すなわち"OK. Let's move on to the next sentence. Can you translate this sentence into Japanese?"のような指導は意味がないことです。」

この質疑応答により、私の一瞬の不安は取払われました。太田さんや文部科学省が推進したいであろう意図がよりよく伝わったに違いないと思ったからです。

「果たして、英語で授業をして生徒が理解できるのだろうか」という先生方が持つ不安は大きいものがあります。「英語だけで授業をできる力が自分にはあるのだろうか」という不安と同時に。

その気持ちは分ります。しかし、それはただ、過去の経験が違うだけだと思っている私は、次のことを発言したくなってたまりませんでした。
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多くの皆さんは、教師として英語だけで指導した経験だけでなく、生徒だった時に、英語だけで授業を受けて英語が分るようになった経験を、たまたまお持ちでないから、取り越し苦労されているだけだと思います。

一例として私のことをお話させて下さい。

私はいろいろな年齢層の日本人に、英語は英語で教えるということを27年続けています。そしてどんなレベルの人でも英語で教えられるという経験を積んでいます。でもその基盤となったのは、自分が生徒の時にそれを体験することができたからです。

私は浪人生となった時に、NHKラジオ「英会話」を21年間担当されたことでも当時有名だった、明治学院大学教授の松本亨博士の英語は英語で学び、「英語で考える」という学習法に偶然出会いました。

その時私は劣等生で、英語は出来ないだけでなく、英語嫌いという心の壁も作っていました。そんな私でしたが、主に日本人の教師から英語は英語だけで学び、またそのような学習環境から生まれる英語での生徒同士の交流体験を通じて、英語が好きになり、出来るようになっていきました。

私は本当に英語が出来なかったからこそ、自信を持って言えるのです。英語だけで授業を受けても、講師が分るように授業をしていってくれれば、分るようになると。そしてそのためにはネイティブ講師よりも、日本人講師のほうが適していることが多いと。

また、当時私が通ったのは週3回合計5時間だけの1年間コースでした。決して朝から晩まで英語の授業を受ける環境ではありませんでした。それでも大きな変化があったのです。

ただし、一切日本語は禁止とされていました。実は日本語を一言話すと千円の罰金というルールまであり徹底されていたのです。

罰金というと、好ましくないと思う人もいらっしゃると思います。ましてや千円などと非教育的だと非難される方もいらっしゃるかもしれません。でも私は別にここで、千円の罰金をお勧めしたいわけではありません。

お伝えしたかったのは、実際には罰金が集まることは稀だったという事です。そこまで環境を徹底するぞと、教える方も学ぶ方も覚悟すれば、英語だけでの授業が自然と受け入れられるようになったということです。結果、誰も日本語は話さなかったので、罰金が集まらなかったのです。

また、正確にいいますと、私は最初、同じ松本先生の学校の春期講習にまず参加した後に、この1年間コースに入学しました。実はその春期講習では、「英語を使う事が基本」とされているだけで、日本語も使えました。

日本語を使える環境下では、英語など最初から話せない私だけでなく、英語が出来る多くの子達も、日本語を話していました。英語を話す級友もいましたが、私などは「英語が出来ることを自慢している」かのように見えて快く思っていませんでした。

ところが、そんな私も英語だけのコースに入った途端に気持ちが切り替わったのです。今にして思うと、日本語も使ってもいいというような環境のもとでは、いつまでたっても英語だけの授業に、私は違和感を感じたままになってしまった事でしょう。

ですので、基本にするべきは、「英語だけで授業をすること」だと思います。まずは、英語だけの授業を完成させてから、例外として、どこで日本語を使用すべきかを考え始めたらいいことかもしれません。

以上、私の場合は英語が出来なかった自分でも、英語だけでわかるようになった体験があるために、何の疑いや不安もなく、英語だけで授業をしてきました。

今後もし、皆さんが勇気を持って決断して、英語だけで授業をしていただければ、大きな変化がすぐにでるはずです。

私のように英語が苦手な高校生でも、英語が得意に好きになる子が増えるだけではありません。先生方がそのように教える事で、教え子の中から、英語だけで授業することに不安を持たない次世代の講師が、自然と生み出されてくると確信しています。
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さて、さて、実はもう少し先生方にお伝えしたい事があったのですが、長くなってしまったので、今日はここまでにします。また、太田さんのプレゼン後にも、他の先生方から、とても嬉しいお話をお聞きしました。ですので、数日かけてこのシンポジウムについて皆さまにお伝えするつもりです。お楽しみに。

さて皆様のサポートのお陰をもちまして、本日221日間連続更新したこととさせてもらいます?!いつも応援有難うございます。本日の健康改善は△です!(風邪のため今日はノックアウト状態。食事のみクリアです。)有難うございました!感謝をこめて。

                  
  

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カプラン ジャパン代表 石渡 誠
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石渡 誠  Makoto Ishiwata
南アラバマ大学 コミュニケーション学・英語学 学士号取得。ジョージタウン大学院 英語教授法修士号 取得。帰国後、松本亨高等英語専門学校を引き継ぎ、14年間のフィニックス英語学院の教務部長を経て、カプラン ジャパン代表就任。[ More... ]
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