Title.

日本語講師の話す日本語とは

Date. 2009.12.22  /  Category. 英語の教え方
                  
     

昨年暮れに発表されて物議をかもしだした2013年からの新学習指導要領。英語の授業は「英語で行うことを基本とする」とした一文が大きな波紋をよんでいます。

「英語の授業を日本語で行う事が常識化」してしまっている日本では、いろいろな誤解もあるようです。しかし、外国語はその言葉で教えることは、海外では普通に行われている事です。

一例として、アメリカのジョージタウン大学で日本語を教えた経験を振り返っています。

テキストには、そのレッスンで学ぶ日本語のポイントの全てが、英語で解説してありました。学生はそれを踏まえた上で、ラボでワークブックにあるドリル練習をこなして授業に出席していました。

ある意味、日本語での授業に望むべく準備をしてきているのです。ですので、講師の仕事はなるべく日本語だけで授業をすることでした。

不安そうな時には、少しだけ英語を使って励ましたり、テキストの説明で必要な部分は英語で解説を付け足したりはしました。

それでも、質問があっても、細かい文法的な説明は授業中にはしませんでした。そういう場合はオフィスにきてもらって、英語で答えるようにしたのです。

元々テキストには、細かすぎるほどの説明がされてあり、さらに文法説明などしてしまうのは危険だからです。

微妙な日本語の使い分け方など、所詮日本語能力が上がらなければ、分からないことです。

ある学生の質問に付き合い、あまり説明を増やしてしまうと、分かっている気がしている人達まで、分からなくなる可能性もあります。

結局、英語で話せば話すほど、日本語が難しくなるような悪循環を生み出す可能性もあります。

さて、そういうことで授業は日本語で行いました。学生が生の日本語を耳で聞いて理解できて、そして話せて使えられるように指導しました。

言い換えれば、頭である程度理解したものを、体に覚えさせることで、さらに理解を深めて使えるようにしていくことです。

具体的には、スキットを音読させることから、ドリルの復習から応用、そしてスキットのシチュエーションを変えてみたり(演じたり)、様々なアクティビティを通しながら学生と会話もしていきました。

いずれにしても、指示からなにやら全てを日本語で行いますが、コミニケーションはとれていました。

それは、講師は学生の日本語力を把握できていたからです。ある意味、全くの白紙状態から教えているので、わかりやすかったのです。教えてきた日本語以外は知らないわけです。

学生の知っている言葉を使いながら、新たな表現をすこしづつ付け足していくことで、コミニケーションをとりながら。

これは、たとえば言語学者Krashenのインプット仮説に照らしても理にかなっていることです。

学習者の言語レベルに多少知らない言葉も含めることで、理解可能で少しチャレンジングなインプットに多量に触れる事が言語の習得には不可欠であるという説です。

このことを、日本での英語の授業に照らし合わせると、日本語講師の重要性もさらにわかります。ネイティブ講師には日本人の英語力を把握する事は難しいのです。

なにしろ日本人は英語を知らないようで知っています。小さい頃から英語に触れていて、高校生ともなれば、結構難しい事も知識として入っています。ネイティブには難しい単語でもカタカタで日本語として知っていることも多いわけです。

生徒がどこまでの英語を知っているのかの判断は、やはり同じ体験をしている日本人講師のほうが楽に出来るのです。こういう意味からも、日本人講師が英語で授業をすることが望まれると思います。

さて、ジョージタウン大学での中間テストとか期末テストは、オーラルテストを実施しました。初心者クラスの学生も中間テストの時には、すでにある程度日本語で会話することが出来るようになっていったのです。

次回はまた、上智大学・ARCLE応用言語学シンポジウムでの上智大学の和泉伸一准教授のお話に戻りたいと思います。

最後にまたお知らせです。まずは26日(土)の表参道校、1時から9時まで、8時間行われるTPP特別クラス(参加費5,000円)です。前回9月に行った10時間の内容を2時間圧縮して行うものです。

英語のレベルに問わず参加できて、しかも充実感を満喫できる特別な講座です。今後、このテーマのブログでいかに、英語学習に最も効率的なメソッドのひとつとして紹介もしたくおもっているのが、TPP (Team Presentation Project)です。

コンテントとタスクを見事にマッチングさせて、集中的にコミュニケーション活動を通じて英語力を強化していく方法です。現在まだお申込者は5名だけということです。ぜひ万障繰り合わせ頂き、奮ってご参加くさい。

そして、翌27日の日曜日には、ジャーン!
12月27日.jpg
セミナー内容に関してのご希望、またその他コメント等、こちらm-ishiwata@kaplan.ac.jpまでどうぞ。お待ちしています。

さて皆様のサポートのお陰をもちまして、本日229日間連続更新したこととさせてもらいます?!いつも応援有難うございます。本日の健康改善は△です!(風邪はまだ完治せず。今日は食事だけクリア!)有難うございました!感謝をこめて。

                  
  

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カプラン ジャパン代表 石渡 誠
カプラン ジャパン代表
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石渡 誠  Makoto Ishiwata
南アラバマ大学 コミュニケーション学・英語学 学士号取得。ジョージタウン大学院 英語教授法修士号 取得。帰国後、松本亨高等英語専門学校を引き継ぎ、14年間のフィニックス英語学院の教務部長を経て、カプラン ジャパン代表就任。[ More... ]
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