2010年1月アーカイブ
Title.
オバマ大統領就任から1年
Date. 2010.01.21 / Category.
Diary英語プラスアルファ
昨日まで5日間に渡り、日本英語交流連盟(ESUJ)の新春講演会のお話をまとめてきました。そして昨日もESUJが主催するEnglish Clubの英語朗読セミナーに参加させていただいたのですが、大変勉強になるお話が聞けました。
英語学習に直接関することなので、また数日間に分けてお伝えしたいと思います。
が、このブログを通して、いろいろとお話したいことや、まだ終えてない話もたくさんあり、嬉しい?悲鳴をあげています。ですので、朗読セミナーのお話は明日以降にさせていただきます。
今日は、やはりオバマ大統領就任から1年目を迎えたので、そのお話を少ししたいと思います。
ご存知の通り、ここにきて大統領の支持率が急減しています。就任当初の68%から50%まで落ちていると報道されています。
就任後の1年間の支持率も57%で、、第二次世界大戦後、大統領選を経て就任した9人の大統領のうち最下位のクリントン氏(49%)に次いで、レーガン氏と同率のワースト2位だとか。
昨年の就任演説を見ての私の感想を、1年前にここに書いたことが思い出されます。
それは、韓国で就任当時、絶大の人気を集めた李明博大統領のような結果にならない事を祈っているということです。何と1年間で支持率が80%から10%台にまで落ちていたのですから。
李大統領のケースとだぶったのは、就任当初の支持率の高さだけではなく、支持の一番の理由が経済の建て直しにあったからです。
そして、世界的な不況はそんなに簡単に変えられるものではなく、人々の期待感が大きいだけにその反動も大きくなることが予測できたからです。
李大統領はその後、少しづつ人気を取り戻して現在の支持率は50%くらいだそうですから、きしくもオバマ大統領の支持率と同じになっています。
さて、私は政治の専門家でないので支持率についてのお話を多くするつもりはありません。しかし、少し昨日と関連する話をさせていただきますと、日本のメディアの報道にはがっかりさせられます。
それは、ほとんどのメディアが同じ論調だからに他なりません。
「オバマの支持率が急激に落ちている。それは選挙時の公約が全く実行されていないから。そして10%以上の失業率が、オバマ離れを起こしている」と。
日本のメディアに私が不満なのは、申し合わせたかのように全部がこのような単調な論調を支える報道しかしていないことです。
言い換えますと、まず結論ありきでそれを立証するべく報道している、もっといえば、結論は仮説からはじまり、それをニュースにすべく取材して報道していることが多く見られることです。
支持率が落ちているという事実に対して、もっと掘り下げた議論や、様々な観点からの報道を期待したいところです。
比較材料として、海外の報道の例をあげたいのですが、長くなってしまったので、明日に続けタイと思います。
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Title.
日本の将来を左右する根本的な問題点
Date. 2010.01.20 / Category.
英語プラスアルファ
日本には、まだ望みが少しあるものの根本的な問題がある。日本英語交流連盟(ESUJ) による新春講演会で、アベ博士は最後に2点あげられました。
その1番目が、やはり私の仕事に関わる問題でした。
それは、日本人の英語力。英語が話せる人間が少なすぎるというのは、大きな問題であると。
「ESUJに頑張ってもらわなければいけませんね。」と少しにこやかにおっしゃったものの、この問題は深刻です。
たとえば、昨日リポートした日本に残る5つの望みを見ても、2番目から5番目は英語力にも関わってくることです。
海外に投資するにも、日本の文化的遺産をうたうにも、外国人居住者を増加させるにも、地理的有利性を活用するにも、みんな英語が関係していきます。
そして、そのためには「英語ができる人達が一部いればいい」ということではなく、一般の日本人多くが英語ができる必要があります。
改めて、日本人の英語力を底上げしていくことが急務であるとお話を聞きながら思いました。

アベ博士が2番目に挙げた問題点は政治システムにありました。小選挙制が導入できたのは、大きな前進だったが、それからが続いていないと。
日本はもっと英国スタイルの民主主義をとりいれなければいけないとのこと。それはもっと政治的なリーダーシップが発揮できるからだそうです。
そしてこれは私達も強く感じていることだと思いますが、選挙の頻度が多すぎるし、マスメディアもレベルが低すぎると指摘されました。
あまりに選挙が多いので、必然的に政治家は政策よりも選挙対策に追われてしまう。ある意味、現状のシステムでは仕方がないことでもある。
なぜなら選挙に勝てなければ、政策が実行できないから。
なので、メディアはこのことに言及していくべきところを、あたかも政治家は私利私欲のために選挙のことばかり考えているかのような報道を繰り返していると。
実は政治だけでなく、日本のマスメディアの不思議なところは、あるニュースに関して誰もが同じようなことを話していることだと私も思います。
たとえばチャンネルを変えても、新聞をいくつか読んでも、文章自体もほぼ同じ。
違う視点で書かれているものは、ゴシップ的なものばかり、とメディアのレベルの低さにはがっかりさせられます。
ということで、まとめますと英語力、そして政治システムと絡めて日本のメディア、これらの問題を解決することが、日本の将来を大きく左右するというお話で講演は終わりました。
皆さまはどう思われたでしょうか?
さて、気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、今日からカテゴリーを追加しました。「英語プラスアルファ」です。文字通り、英語学習にプラスして学んでいきたいようなトッピックがこちらになります。今までの記事も、整理しておきましたのでよろしければご覧下さい。
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Title.
日本を救う5つの方法
Date. 2010.01.19 / Category.
英語プラスアルファ
果たして、これからの日本に明るい将来があるのか?
昨日のこの問いかけに、コメントもいただきました。Ouchiさん、ありがとうございます。
比較政治経済学者のマルガリータ・エステベス・アベ博士は、次の5つの望みを挙げられました。しかし、今がラストチャンスであると。

1.起業家など、企業から独立して仕事をしようとするような人達、いわゆるリスクテイカーへの障壁を取り除く、柔軟性のある雇用マーケットを構築する。
2.円高を活かして、海外への効率的な投資をする。
3.文化的な資産価値、いわゆる日本ブームが海外で生まれているのを活かす。
4.外国人をもっと呼び、日本居住者を増やしていく。
5.日本の地理的な利点、幸運を活かす。
さて、まず3番の日本文化に対してのブームというお話は面白かったです。
簡単に説明すれば、今海外で日本の文化に興味を持っている人は、いわば上質的なテイストの持ち主であると思われているとのことです。
例えば、ランチに鮨弁当を選ぶアメリカ人は健康的で心が広い人だというように見られる。だから、そのように他人に思われたくて、お鮨を買う人達もいるということです。
またマンガなどは、特に若者の間で凄い人気で、例えばアベ博士が訪れたドイツの小さな町の小さな本屋さんでも、日本の漫画だけでひとつの書棚を独占していたそうです。
今このように日本的なものへの興味が増しているのは、日本にとって大きなチャンスであるということです。
ただ、4番目の海外からの居住者を増やすためには、彼らの心理的な障害をなるべく低くしてあげる努力が必要との話でした。
特に日本語の壁は大きいとの話も納得です。
例えば日本政府はフィリッピンから、たくさんの看護士を呼び寄せたのに厳しすぎる日本語検定試験を課しているとのご指摘。
漢字の読み書き能力など、時間がかかるものを性急に求めすぎな印象を私も受けています。入国3年以内に日本人でも合格率50%の日本の看護士国家試験に合格しないと帰国を余儀なくさせられるとか、再検討すべき課題だと思います。
フィリッピンからの看護士は世界中で求められていることを自覚していないとのご指摘もありました。世界での人材獲得競争にも負けてしまうと。
また。JETプログラムで学生時代に日本へ英語講師として働いたことがある人達で日本に戻りたいと思っている人達も多い。JETのOBなどもすでに沢山いるのだから、何か手がありそうだというお話もでました。
さらに面白かったのが、5番目の地理的な優位。
ヨーロッパなどは例えばEUになって注目は浴びているものの、どの国も経済的に伸び悩んでいる。ところが、日本は今世界でも一番の注目のアジアに属している。
この地理的な幸運を活かさない手はないとのお話でした。
ということで、まだ日本が活力を復活させる手立てはいくつかありそうです。
しかしながら、同時に根本的な問題点もあるというお話で講演は終わりました。
その問題点とは?
明日お伝えしますね。
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世界でも取り残されているのか、ニッポン
Date. 2010.01.18 / Category.
英語プラスアルファ
お待たせしましたが、比較政治経済学者のマルガリータ・エステベス・アベ博士からお聞きしたお話を少しまとめてみます。

まずは少子化の問題。これは先進国の多くが抱えている問題ではあるものの、アベ博士によると、日本の現状は世界でも最低なレベルにあり、唯一日本より悪いのはイタリアだけだそうです。
そして少子化だけでなく他の社会的な問題、経済的な問題、政治的な問題、全て昔から言われている問題が改善されていない。
女性の雇用問題もしかり、年齢的差別しかり、国際的な競争力しかり、貿易依存経済しかり、政治的リーダーシップの欠如しかりと、次から次へと痛い指摘をされました。
政策がないかといえば、時に間違った政策を実行するという指摘も。その例としてあがったのが、「ゆとり教育」でした。
そして気がつくと、教育だけでなく日本独自の長所や特徴までが失われてきている。それは、勤勉さだったり、節約や節制、そしてクリエイティビティなどで、日本の強さであったはずなのにと。
日本人は技術力で世界をリードすると思っているかもしれないが、例えば一昔前、世界を唸らせたソニーが、今はアップルに人気がとられてしまっている。高品質を誇ったトヨタ車ですら、評判が激減している。そのことにもっと危機感を抱かなければいけないのではないか。
この現状を見ると、日本は「ゆでガエル」の状態になっているのではと危惧せざるおえないとお話されました。
どの国も衰退することもあれば、問題を抱えている。しかし他の国はしっかりと対策を練って効果を出してきている。
スカンジナビア、スイス、英国、米国、中国、インドなどの具体例を出してお話が続きました。
果たして、これからの日本に明るい将来があるのか?
皆さんはどう思われますか?
アベ博士の分析と提案は、また明日リポートしますね。
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大平正芳記念賞
Date. 2010.01.17 / Category.
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日本英語交流連盟(ESUJ) による新春講演会で聞かされた現在の日本分析。なるほど、と考えさせられる事が多く、少し皆さんに内容をご報告するとお約束していました。
お話されたのは、マルガリータ・エステベス・アベ博士。

執筆された"Welfare and Capitalism in Postwar Japan"(Cambridge University Press 2008年)で、昨年「大平正芳記念賞」を受賞されたそうです。
同記念賞のサイトを発見しました。受賞者の皆さん素晴らしい方々です。
アベ博士の話された内容をまとめる前に、女史の略歴をこのサイトより転載させていただきます。
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略歴
政治学博士(ハーバード大学)。慶応義塾大学総合政策学部助手、ミネソタ州立大学政治学部助教授、ハーバード大学政治学部准教授を経て、現職。ドイツのコンスタンツ大学客員教授、ドイツ・ハンザ先端研究所、米ラッドクリフ先端研究所などで客員を務める。
専門は、比較政治経済学。特に、女性の就業行動の先進国比較と日本の政治経済を中心。現在、Gender、Inequality and Capitalism 『ジェンダー、不平等と資本主義』という本を執筆中。
近著として、受賞作とは別途に、"Japan's New Extrovert Leaders: How Institutions Change Incentives and Capabilities,"Harvard Weatherhead Center of International Affairs Working Paper #3557 (2008), 共著, "How Policies Affect Women's Economic Position within the Family: Labor Market Institutions and Wives' Contribution to Household Income," Luxembourg Income Study Working Paper (2008)、共著、『オバマのアメリカ経済入門』、共著(毎日新聞社、2009)など。 『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)に定期的にアメリカ政治経済について寄稿している。
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凄いですね。お父様が日本人ということで、日本語もネイティブでいらっしゃいます。
受賞にあたってのお言葉もありました。この中で外国人にとっては、逆に日本語という壁があるために日本が研究の対象になりにくいというような事を言われているのも興味深いです。
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<他国にも適用できる汎用性のある新たな理論を>
マルガリータ・エステベス・アベ
大平正芳記念賞を賜り、誠に光栄に存じております。財団および選定委員会の諸先生に心より御礼申し上げます。
現在はアメリカを基盤にしておりますが、もともと日本で育ち、古くからの日本の友人そして恩師らに研究活動を支援していただきました。
今回の受賞を自分のことのように喜んでくれている日本の恩師、同僚、友人の存在には大変感謝しております。これからも一層研究活動に励み、恩返しとさせていただく所存です。
Welfare and Capitalism in Postwar Japanは、1940年代から2007年までの日本の政治経済を分析しています。選挙制度などの政治制度の配置によって、一国の分配政策の大枠が決定されるというのが本書の主張です。
本書ではその理論的枠組みを適用することで、1990年代以降の制度改革によって日本の政治がどう変わり、今後どうなっていくかについても予測をたてています。
英文ではありますが、日本政治の今後に興味のある方には是非読んでいただければ幸いです。
日本という国は比較政治経済研究者にとって非常に重要な事例であるにもかかわらず、日本語という言語のハードルゆえに、比較研究から外されてきました。
本書は逆に日本の事例を使うことで、従来の比較政治経済学研究の限界を浮き彫りにし、他の国にも適用できる汎用性のある新たな理論の提示を試みています。
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少し私には難しそうですが、このご本は早速注文しました。
さて、アベ博士の分析についてのリポートは、また明日以降にさせていただきます。
最後に皆さんご存知の通り、阪神淡路大地震があったのが本日1月17日。その15年後に、また新たな大地震が起きてしまいました。世界各国からの支援が集まっていますが、私達日本人もさらに援助していきたいものです。
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