みなさん、新年あけましておめでとうございます。
いかがお過ごしですか?充実した年末年始を過ごされたことを願っています。
さて、新年早々ですが昨日大きめの地震がインドネシアで発生したことをご存じでしたか?日本では民放でもNHKでも日本への津波の到達を警戒する情報が延々と流されていましたのでお気づきの方も多いかもしれませんね。
この地震は午前4時43分に発生しましたが、私は地震を伝えるケイタイメールによって6時過ぎに起こされました。寝ぼけ眼で画面を見るとマグニチュード7.6、震源深度は35kmと表示されています。このくらいの規模であれば、脆弱に造られた建物はいとも簡単に崩壊し、大災害を引き起こすことも珍しくありません。
緊急連絡網で上司および同僚へ地震の発生を伝えると共に、被害を特定する情報を収集し始めます。まず、震源地の特定と周辺の地形および人口分布の確認をし、大抵の被害のイメージをつくります。昨日の地震に対する私のイメージとしては「浅くてインパクトも大きいけど人口密集地での発生ではないためそんなに心配することないかも」でした。ただ、地震のようなRapid onset disasterの場合、直後の情報は収集しにくく、挙がってきても信頼性にかけることも多々あります。慎重に状況を見極めることが大切なようです。万全を期すためには継続的に状況をウォッチする必要があります。
事務局内で検討した結果、時限的に昼まで出勤して様子をみることになりました。結果としては、被災規模も大きくなく、緊急援助が必要だという事態は免れることになりました。
今回の地震でも痛感したのですが、発災時における迅速な情報により警報を鳴らすことは必要なのですが、鳴らした音の大きさに見合わない小規模な被害だと(ありがたいことですが)、警報自体の信頼性が疑われてしまうことになります。
以前にもブログに書きましたが、私の仕事の一つにこの警報を鳴らし、職場を臨戦態勢にする役割があります。私自身、この役割は大変重要な仕事だと思っていますし、必要とされるものだと確信しています。ただ、いままで高らかにラッパを鳴らしたのに内容が伴わないものも多くありました。考えてみればマグニチュード7クラスの地震なんて世界中で毎日なんぼでも発生しています。それにいちいち反応してラッパを鳴らせば信頼性が疑われるどころかいつの間にかBGMになってしまいます。
鳴らすべきラッパの音の量とタイミング、はたまただれにむかって鳴らせば効果的か、しかも迅速な対応が求められているときにこれを判断するのは大変な経験が必要な仕事です。難しいですね。精進が必要です。
一方で、鳴らすべき時に鳴らすべき量で鳴らなかった、鳴らせなかったラッパもあります。最近では記憶にも新しい5月のミャンマー・サイクロン「ナルギス」がこの例です。
ナルギスが死者行方不明者13万8千人というあのような未曾有の被害をもたらす4日前、私は職場でラッパを軽く吹きました。「サイクロンが来てますけど勢力も弱いので問題ないですよー」というように。実際、その時の勢力図では非常に勢力が弱く、あのような大災害を引き起こすなんて全く思っていませんでした。その後、ナルギスはミャンマー沿岸部に到達する数時間前に凶暴な狼として本性を現し、そこに住む人々に甚大な打撃を与えました。ナルギスの動きを動画で見れば一見して分かるのですが、それまでもやもやの弱い熱帯低気圧でしかなかったものが、上陸数時間前にくっきりとしたサイクロンの目を形成しているのです。
では、どうすれば良かったのでしょうか。あの4日前に高らかにラッパを吹くべきだったのでしょうか。ここもまた難しいところです。日本が夏に向かう時期には多くの熱帯低気圧が生じては消え、消えては生じます。そのうちの多くが警戒するには値しないような弱いものです。ラッパをその度に吹けば警報の信頼性は下がり、私はオオカミ少年として相手にされなくなるでしょう。
しかし一方では、狼は常にそこに姿を潜めていて、油断した我々の生活を脅かします。
自然災害対応は常にマザーアースとの闘いです。オオカミ少年がゴルゴ13のような正確無比な狼少年となるのはいつの日でしょうか。その日を待ち望みながら、狼自体による脅威が小さくなればと願う、正月明けのセンチメンタルな夜です。
▼▽▼▼勝部さんの過去の記事を読む━━━━━━━━━━━
・【英語と仕事】2008.10.06 (Mon)
・【今まででいちばん勉強した時:序章】2008.11.03 (Mon)
・【今までいちばん勉強した時:初動】2008.12.01 (Mon)
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Posted By: 勝部 司 on January 12, 2009


