◆〔Mon〕Beyond the Border

友人との再会

----------------------------------------------------------------------------------- 月曜日更新担当、国際人道支援組織ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの
受講生チーム"Beyond the Border"より
受講生・板倉さんの更新です!

※KAPLANと国際人道支援組織JPFは、連携プロジェクトとして日本の情報発信力UP!「国際人道支援における英語力強化プロジェクト」 を行っております。
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Ms.Itakura.jpg 今回は、仕事の話はやめて スーダンで再会を果たした友人のこと、その友人の言葉についてお話します。

友人の名は、トーマス。 
南部スーダン、東エクアトリア州トリット出身。タルーカ族。(長身の痩せ型)
両親は、内戦により失い、彼は命からがら兄弟数人と首都ハルツームへ逃げてきました。その時負った左上腕部の傷が痛々しく、こっそり見せてくれました。銃で撃たれたのです。あとは、安宿で住み込みの掃除のアルバイトをしながら、ジュバ大学に通っていた。ここまでが、これまでに私に話してくれた内容です。



大学卒業後は、ユニセフなどで働いていましたが、ナショナルスタッフは半年毎の契約で、不安定でした。
しかし、南部スーダン政府が樹立により、ジュバ(南部スーダンの首都)へ戻り、この日を待ち望んでいた国づくりのために経済産業省の役人となった。その間に、大学で知り合った女性(女医)と結婚しました。1年前には男の子が生まれ、コニョコニョマーケット(コニョコニョ市場といい、ジュバでは誰でも知っている場所)の近くに家を借りて、家族みんなで住んでいました。

私は、2002年にスーダンを離れて以降は、なにかと忙しく、連絡は取っていなかったのですが、時々彼から様子を伝えるメールが届いていました。
今回のスーダン出張前も時間が無く、私が連絡を取ったのもスーダンへ出発した後でしたが、すぐに返事をくれました。



出張中は本当に時間が無いのですが、時間を見つけてUNHCR事務所近くの彼のオフィスまで会いに行き、久しぶりの再開に喜びました。ユーモアと優しさと流暢な英語、生真面目なところ 何も変わっていませんでした。しかし、すごく貫禄がついていたのに驚きました。私たちが出会ったときは、彼はガリガリだったから。今は、人間として、夫として父として幸せなのだろうと直ぐに彼の顔を見てわかりました。



彼の仕事はとうに終わっていたのにも関わらず、オフィスで待っていてくれて、いろいろな話をしてくれました。きっと、いつものように私がズケズケと色々聞くからだと思うけれど...。
今まで語らなかった話、家族のことや今後のことなど。それに、話題になっている公務員の給料の遅延についても聞いてみました。



彼の真実は、獣医だった父親は内戦中の流れ弾で死に、母親とは戦争中に死に別れとなっていたのです。ハルツームに来るまではSPLAの一員として政府軍と戦っていた兵士だったのです。戦っていた時に、銃撃戦で大怪我を負い、ジュバへ運ばれ治療を受けたのです。その時は、偽装し一般市民として入院し、怪我を治したそうです。そうでもしないと、政府軍に見つかれば殺されてしまうからです。九死に一生を得た彼は、兵士として戦っている場合ではない、今後の国づくりのために勉強しようと気づいたのです。これを機会に一般市民としてやり直そうと、ハルツームに行きジュバ大学(内戦中にハルツームにジュバ大学の分校が出来た。ハルツーム大学と並びスーダンで1,2を争う優秀な大学)へと進学しました。お金が無く、住み込みでアルバイトしながら学費を貯めたのです。
そんな中でも、情報収集を欠かさず、南部にいる同胞に、北部スーダンの情報を送っていたそうです。



今の生活は、大学で知り合った彼女と結婚し、子どもに恵まれたこと、新しい国づくりのために役立っていることが本当に嬉しいようでした。
しかし、言われているように公務員の給料の遅配(満額がいつも払われない)があり、気持ちの上で、将来への不安も見えました。
既にCPAが署名されて3年がたっても、社会や生活が好転しないことへの不安があり、このままの状態が続くようであれば、移民したいと口にしました。そして、「でも、情況が好転したらまた戻って来たいけれど...」と。
彼は、更によりよい生活を求めるため、安全で公平な社会をもとめ、また高い教育を更に受けたいという希望があり、奥さんの兄がいるオーストラリアへ移民したいとはっきりと口にしたのです。また、彼の中には、大学で教育を受けたという自信と誇りがあり、他の国でもやっていけるという自信があったことの裏づけだったのかもしれません。



私は、これを聞いて複雑な気持ちになりました。
これからが、自分達の国づくりが本格化するというときに、その国を出たいという人がいる。それも、これまで「この瞬間」を待ちわびていた人が、そう言ったのです。スーダンにて、高等教育を受けて、そして育った人が今後の南部スーダンの未来を担う人から、国を出るということを聞いたのが、ショックだったのです。
そして、国づくりの一助になればと、遠い日本から赴き、支援をしているNGOがそこにはいるのです。
誰もが よりよい生活を求めることは、当然のことです。
しかし、自分達の国を自らが造らなくて、誰が造るのでしょう。



今回の出張は、いろいろと考えさせられる機会となりました。
皆さんは どう思われましたか?


▽モニタリングで訪れたプロジェクトサイト近くのCattle Campモニタリングで訪れたプロジェクトサイト近くのCattle Camp.JPG

▼▽▼▼【受講生】板倉さんのバックナンバー━━━━━━━━
【スーダン再訪】2009.07.13 (Mon)

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Posted By: 板倉 純子 on July 27, 2009

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