◆〔Mon〕Beyond the Border

アフガニスタンの選挙

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月曜日更新担当、国際人道支援組織ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの
受講生チーム"Beyond the Border"より
受講生・椎名さんの更新です!

※KAPLANと国際人道支援組織JPFは、連携プロジェクトとして日本の情報発信力UP!「国際人道支援における英語力強化プロジェクト」 を行っております。
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ジャパン・プラットフォームの椎名です。
今回は、現在大統領選挙にゆれるアフガニスタンについて書かせていただきたいと思います。



私は2002年8月から約5年間、日本のNGOと2つの国連機関での仕事のため、アフガニスタンで働いていました。最初に働いていた日本のNGOでは、主にパルワン州という州で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のシェルター(簡易住居)プロジェクトを実施していました。



私が回ったショマリ平原には、長年の戦乱で村々は破壊され、田畑も灌漑設備の不備で荒廃しているところが多く存在していました。当時のアフガニスタンは、場所により違いはありますが、治安は今よりも比較的安定していて、私は40余の村々を回りながら、住民たちに建築資材を提供し、パキスタンやイランで難民生活を経験し、自分の故郷に戻ってきた方々の家を建設していました。



現地での事業を実施するにあたり、まず必要なのは、現地の人々との信頼関係の構築でした。外国からふらりとやってきた私のような外国人が、ただお金の力で物資を配り歩くのではなく、現地の人々と一緒に事業を考え、役割分担をして事業を行うには、まず小さなことから一緒に行い、少しずつ仲間として認められることが重要です。



その点、日本人の私は、村人の多くから大変親切にしていただきました。ある日村の村長から食事に誘われ、お宅にお邪魔すると、一つの大きな部屋に通されました。豊かな村ではないことは調査の中で知っていたのですが、大きなお皿にパラウ(肉とお米を一緒に炊いたもの)を出され、村人と一緒に一つの皿から手づかみで食べながら、日本についての様々な質問を受けたり、彼らの日本に対する考えを聞くことが出来ました。



私の出会った多くのアフガン人は、日本に対してとても好意的な印象を持っているようでした。日露戦争で日本がロシアをアジアの国で初めて打ち破ったのだと、肩を叩かれんばかりの歓迎を受けることがありました。これはソビエト連邦に侵攻を受けながら、自分の国を守ったという彼らの気持ちの裏返しであったと思います。また、太平洋戦争で広島と長崎に原子爆弾を受けた日本が、ここまで立派になった理由を教えてくれと、私の祖父のような風貌の村長に尋ねられることも一度や二度ではありませんでした。



私から村長に、「日本は太平洋戦争後、日本国内で戦争をすることは無く、祖父や、父の代の日本人が、一生懸命に働いた結果ではないか。」というと、顔に刻まれた深い皺をより一層深くしながら、「アフガニスタンは、まだお互いが争っているから駄目なのだ。日本のように戦争をしないで頑張れば、アフガニスタンも日本のように生活が良くなるとよいのだが。」といったことを、食後のお茶を飲みながら話してくださったことがありました。



しかし同時に、この「生活をよくしたい」という気持ちの先には、アフガニスタンの抱える様々な問題が控えています。自分たちの生活を良くしたいから、農地に引く限られた水や土地の所有権をめぐって争いも起こります。また自分たちの村の安全を守りたいから、頼りにならない国の警察ではなく、地方の有力者や軍閥に頼り、軍閥同士の争いに巻き込まれることもあります。よくアフガニスタンでの問題は「タリバン」の問題といわれることが多いのですが、私の限られた経験では、タリバンの問題が全てではなく、自分たちの生活を良くするために、それぞれが限られた資源や利権をめぐって争わなくてはいけない状況が、その根底にあると思います。アフガニスタンでは、旱魃や洪水、大雪など、様々な自然災害が起こっており、治安の悪化がそれに輪をかけ、状況はますます悪くなっているように感じます。



このような状況で、大統領選挙というのは、その国の行方を占う大切なものですが、同時に出来るだけ人々の意向を反映し、公正に政治を行う国づくりの一つのプロセスであるとの認識を新たにする必要があると思います。選挙が行われたことは一つの大きな進歩かもしれませんが、その後の政治が、「自分たちの生活」だけではなく、「この国の人々の生活」まで視野を広げ、どれだけの人々を見捨てずに、一緒に生活を向上していけるのでしょうか。



私がアフガニスタンの道路を車で走っていると、細い道で車同士がすれ違うことが出来ずに立ち往生し、どちらも車を下げ相手を通すことをしないで喧嘩を始めてしまい、結局何時間も交通渋滞が起きることがありました。こんな時、日本でよくある方法ですが、全体を見てお互いが一台ずつ順番に車を通すという「智慧」があれば、お互いの時間を無駄にすることなく少ない労力で問題を解決することが出来ます。アフガニスタンが直面する問題の多くはこんなに簡単なものでは有りませんが、衝突する両者が一緒に問題解決の「智慧」を出すことがこれからどれだけできるでしょうか。問題の全体像を提示し、「智慧」を出し合うことの出来る場を新しい大統領がいくつ作れるのでしょうか。



指を切られる危険を冒しながら、選挙に参加したアフガニスタンの人々を考えながら、時期を同じくして行われた選挙により今後の情勢がどうなるのか判らないアフガニスタンと日本について、これからも私は見守ってゆきたいと考えています。


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【「割り込み上手」になりたい。】2009.07.20 (Mon)

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Posted By: 椎名 規之 on September 21, 2009

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